英語の長文読解は「コスパの良い問題」から解く|スキミング・スキャニング・リーディングの使い分け

By 田中先生(クルード代表) 田中先生(クルード代表)
公開日: 2026年09月30日

英検やIELTSの長文読解で時間が足りなくなる生徒に、授業で伝えている解き方の戦略をまとめました。正答率と所要時間で問題を4つに分けて解く順番を決めること、スキミング・スキャニング・リーディングの3つの読み方の違いと使う順番、そして英語という科目に特有の「読めるはず」という前提の大切さを解説します。

英語長文読解の解く順番とスキミング・スキャニング|オンライン英語塾クルード講師ブログ

英検の準1級や2級、あるいはIELTSのリーディングで、「読めているはずなのに時間が足りない」「最後まで解けない」という相談をよく受けます。

読解の力そのものではなく、解く順番と読み方の使い分けで変わる部分が大きいので、授業で説明している戦略をこの記事にまとめます。

解く順番は「コスパ」で決める

すべての問題を頭から順に解く必要はありません。自分にとっての正答率と所要時間で、問題を4つに分けます。

  1. 正答率が高く、時間がかからない問題 → 最優先
  2. 時間はかからないが、正答率が上がりきらない問題
  3. 正答率は高いが、時間がかかる問題
  4. 時間がかかり、正答率も低い問題 → 最後

パパっと解けそうな問題から進めるのが基本です。そうすると、見直しにより多くの時間を残せて、戦略の余地が生まれます。

どの問題が自分にとって1番目なのかは、人によって違います。過去問を解きながら、自分の分類を作ってください。

読み方は3種類ある

長文の読み方には、目的の違う3つがあります。

スキミング:全体の流れをつかむ

各段落の1行目と最後の行だけを縦に読んでいく読み方です。「この文章は全体を通して何について議論しているか」を把握します。

IELTSの見出しを選ぶ問題のように、タイトルを選ぶタイプの問題は、スキミングだけで解けることが多いです。英検の長文にはタイトルを選ぶ問題はありませんが、先にスキミングで流れをつかんでおくと、内容一致問題が解きやすくなります。

スキャニング:必要な情報だけを探す

文章全体の意味を取らなくても解ける問題があります。表の空欄を埋めるタイプの問題などがこれです。必要な情報だけをぱっと見つけて書きます。ストーリーを味わう必要はありません。

読解の中での優先順位は2番目です。

リーディング:内容を理解して解く

文の前半が与えられて後半を選ぶ問題、True / False / Not Given の問題など、内容を理解していないと答えられない問題があります。ここで初めて、じっくり読みます。

スキミングとリーディングはセットで使う

ここが一番伝えたいポイントです。

いきなりリーディングから始めないでください。 先にスキミングであらすじだけ頭に入れて、その後でじっくり読む。この2ステップをセットで考えてください。

あらすじが分かっていないまま細部を読み始めると、文章に振り回されます。先に全体の流れをつかんでおくと、内容理解の問題も「1、2、3」とポンポン答えられるようになります。私の指導経験では、これが一番速くて正確な読み方です。

スキミングは、タイトル問題のように直接点数になる場面だけでなく、点数にならなくても読みやすくするために毎回やるものだと考えてください。

英語は「読めるはず」という自信が結果を変える科目

最後に、少し変わった話をします。

リスニングで「聞けるはずだ」と思いながら聞くのと、「何を言っているか分からない」と思いながら聞くのでは、実際に聞き取れる量が変わります。これは授業で生徒を見ていて強く感じることです。

読解も同じです。「自分は読めるはずだ」という前提が構築されている状態で読むと、問題を見て「思っていたのと正解の選択肢が違う」となったときに、「なぜ違うのだろう」という差分で読むことができます。謎を解き明かすように原因を探せます。

反対に「読めないかもしれない」と思って読んでいると、迷った瞬間に読むこと自体をあきらめてしまいます。

英語は、自信が結果に表れやすい科目だと私は考えています。過去問で「読めるはず」の状態を作ってから本番に臨むことが、戦略の土台になります。不合格が続いたときに、過去問で良い結果が出る状態を作り直す考え方は英検に不合格だったあなたへにも書いています。

目標スコアから時間配分を逆算する

IELTSのように目標バンドスコアがある試験では、「何点を取りに行くか」で時間配分が変わります。まず目標を決め、そのために正答率をどこまで確保すればよいかを逆算し、そのうえで上の4分類を当てはめる。この順番で考えてください。

長文の語彙でつまずく場合は、先に単語の土台を固める方が近道です。2級の単語が準1級の長文にどう効くかは英検2級に難しい文法は必要?で説明しています。

まとめ

  • 正答率と所要時間で問題を4つに分け、コスパの良い問題から解く
  • スキミングは各段落の1行目と最後を縦読み。タイトル問題はこれだけで解けることが多い
  • スキャニングは情報探し。じっくり読む必要はない
  • リーディングの前に必ずスキミング。セットで使う
  • 「読めるはず」という自信が、迷ったときの読み方を変える

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