英検S-CBTの録音型スピーキング対策|「もう一度聞く」は再録音ボタンだと考える

By 田中先生(クルード代表) 田中先生(クルード代表)
公開日: 2026年09月22日
最終更新日: 2026年10月13日

英検S-CBTをはじめ、録音型のスピーキング試験が増えています。対面の面接とは違う「録音がいきなり始まる」戸惑いをどう乗り越えるか、準2級プラス・2級で差がつく問題構造とあわせて、当塾で始めた録音型スピーキングトレーニングの内容をもとに解説します。

この記事はシリーズ「英検 面接・スピーキング対策」の1本です。シリーズの記事一覧へ

英検S-CBT録音型スピーキングの対策|オンライン英語塾クルード講師ブログ

英検S-CBT、TOEFL、TOEICのスピーキングテストなど、面接官と向き合うのではなくコンピューターに向かって話し、録音で採点される試験が増えてきました。

当塾では2026年9月から、海外講師との通話型スピーキングに加えて、タブレットに向かって録音する録音型スピーキングトレーニングを授業に取り入れました。録音した音声は海外講師に送られ、英作文と同じように添削・フィードバックが返ってきます。

授業の中で生徒に伝えている録音型のコツを、この記事にまとめます。

英検S-CBTの会場はこうなっている

英検S-CBTを受けたことがない方のために、会場の様子を説明しておきます。

会場には、パーテーションで区切られたブースが並んでいて、1つのブースにコンピューターが1台ずつ置かれています。受験者はそこに座り、試験はスピーキングから始まります。

面接官はいません。画面で動画や音声が再生され、質問をされたら、自分でマイクに向かって英語で答えます。それが録音されて、採点されます。

スピーキングから始まるということは、開始と同時に、会場の全員が一斉にコンピューターに向かって話し始めるということです。初めて受けると、周りの声が聞こえてきて、びっくりします。驚いているうちに試験が終わってしまった、ということもあります。

初めての受験で戸惑うのは、ほとんどの人が経験することです。だからこそ、録音に向かって話すことに、練習で慣れておく価値があります。

録音型の一番の落とし穴は「いきなり始まる」こと

対面の面接では、面接官の様子を見ながら答え始めることができます。

録音型はそうではありません。質問の音声が終わった直後に録音が始まります。 準備ができていないうちに「もう始まってる!」と慌てて、空白の多い回答をそのまま提出してしまう。これが、当塾の録音型の練習で最も多く見られる失敗です。

当塾の録音型トレーニングは、あえて本番と同じように、音声のあとすぐ録音が始まる作りにしています。慌てる経験を練習でしておくためです。

「もう一度聞く」は再録音ボタンだと考える

録音型の試験には「もう一度聞く」というボタンがあります。文字通りに読めば質問をもう一度聞くためのボタンですが、私は生徒に「これは録音をやり直すボタンだと思ってください」と伝えています。

質問を聞き取れていても、録音が始まるタイミングに慌てることがあります。慣れるまでは、次のように練習します。

  1. 1回目は流れや録音のタイミングを確かめながら答える
  2. 「もう一度聞く」で質問を聞き直し、2回目のテイクで落ち着いて録音する
  3. 録音を聞き返して改善点を確かめる。慣れたら1回で答える

という使い方を、練習の段階ではおすすめしています。声優さんがファーストテイク、セカンドテイクと録り直す感覚です。

ただし、本番では同じようにはいきません。やり直せる回数は試験ごとに決まっていて、聞き直しを使うと採点に影響する場合があると案内されている試験もあります。受験する試験の公式案内と、画面に表示される注意書きを必ず確認してください。

ですから、本番でのこのボタンは「慌ててしまって、空白だらけの回答になりそうなとき」の保険です。練習でテイクを重ねる目的は、録音が始まるタイミングに体を慣らして、本番ではファーストテイクで落ち着いて答えられるようにすることにあります。当塾のトレーニングでは、慣れるまではやり直しの回数を多めに設定し、慣れてきたら本番に合わせて減らしていきます。

録音で気をつけたい3つのこと

  • 冒頭に空白を作らない。 録音が始まったらすぐに話し始めます。質問文を繰り返して言うだけでも、考える時間が確保できます。この話し始めの型はスピーキングが上手な人ほど文法を気にしないで詳しく説明しています。
  • 口をマイクに近づける。 採点の材料は録音された声だけです。表情や身ぶりでは補えないので、はっきり大きく吹き込みます。
  • 周りに負けない声で。 本番の会場では受験者が一斉に話し始めます。周りの声に気を取られず、自分の回答に集中してください。

準2級プラス・2級で差がつく問題構造

録音型のトレーニングを級別に用意する中で、生徒によく説明している構造上のポイントがあります。

パッセージの音読

20秒の黙読のあと、音読を録音します。ここは3級から2級まで共通です(準1級には音読がありません)。音読そのものの練習方法は音読は声優になったつもりでにまとめています。

パッセージについての質問

3級・準2級は、本文の1か所を見つければ答えられる問題が中心です。

準2級プラス・2級は少し違います。質問の答えになる文の中に by doing so や in this way のように前の文を指す表現が入っていて、それが指す内容を1つ前の文から引っ張ってきてつなげる必要があります。1文だけを読み上げても答えとして不十分になる、パズルのような構造です。

3コマイラストのナレーション

準2級プラスと2級には、3コマのイラストを英語で説明するナレーションがあります。準1級では4コマのイラストのナレーションになるので、ここで慣れておくと後が楽になります。ポイントは3つです。

  • 過去形で時系列を揃える("The next morning" などの時間表現を必ず入れる)
  • 吹き出しのセリフをそのまま使う
  • 登場人物が想像している場面(「こうしたかったのに」)をうまく説明する

Yes / No で答える質問

Yes なら「もっと詳しく」、No なら「なぜそう思うか」を続ける2段階の構造です。No と答えると別の質問が続く問題もあるので、どちらで答えるかを戦略的に選ぶこともできます。

絵と関係のない質問は、音声だけで出題されます。準備の時間はなく、質問が終わるとすぐに録音が始まるので、特に慌てやすいところです。

2級を目指すなら、準2級プラスで形式に慣れる

準2級のイラスト問題は、1枚の絵にいる人たちを1人ずつ説明する形式です。準2級プラスでは、これが3コマのイラストの流れを順に説明する形式に変わります。これは2級と同じ形式です。

問題は2級より分かりやすいので、2級を目指している方が形式に慣れるための練習として、準2級プラスの問題はおすすめです。

準1級の4コマのナレーションの対策は英検準1級の4コマナレーションは「とほほ」で終わるにまとめています。準2級のイラスト問題の答え方は英検準2級面接のイラスト問題で解説しています。

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録音することに慣れると、力が出やすくなる

録音型のトレーニングを続けていると、英語の力とは別に、録音に向かって話すこと自体への慣れがスコアに影響していると感じることがあります。

録音を2回提出した生徒の2回目の結果が、1回目より難しい級の問題だったにもかかわらず、1回目より良かったことがありました。本人に聞くと、マイクに向かって話す操作に少し慣れた、とのことでした。

スピーキングの力を発揮するまでに、形式への慣れが必要な場合があります。録音型の試験は、英検S-CBTだけでなく、高校入試のスピーキングテストやTOEFLでも使われています。早い段階で慣れておくと、その先の試験でも役に立ちます。

ライティングは先に書いて、最後に見直す

スピーキングとは別の話ですが、英検S-CBTを受ける方に、もうひとつおすすめしていることがあります。

筆記の時間に入ったら、ライティングを先に書くことです。書き上げたら、いったん置いてリーディングに進みます。書いた内容を一度忘れるくらい時間を空けてから、最後にもう一度読み返して修正します。

書いた直後は、自分の文章のミスに気づきにくいものです。時間を空けてから読むと、他人の文章のように読めて、ミスを見つけやすくなります。

対面と録音、どちらで練習するか

英検の従来型は対面の面接、英検S-CBTは録音です。IELTSは対面、TOEFLは録音です。受験する方式に合わせて練習する形を選ぶのが基本です。

当塾では、海外講師との通話型スピーキングと録音型トレーニングのどちらも選べます。コンピューター受験を控えた生徒には録音型を、対面の面接を控えた生徒には通話型を、というように毎回の授業で調整しています。

英検S-CBTで実際に合格した生徒の体験談は、海外経験ほぼゼロの小3が英検2級(S-CBT)に合格|本人・保護者インタビューでご覧いただけます。対面の面接の流れは今すぐできる英検準2級完全対策講座【スピーキング面接編】で紹介しています。

まとめ

  • 録音型は「音声の直後に録音が始まる」ことに慣れるのが最優先
  • 「もう一度聞く」は再録音のボタンだと考え、練習ではファーストテイクを流れの確認に使う
  • 本番では回数制限と採点への影響を公式案内で確認し、ファーストテイクで答えられる状態を目指す
  • 冒頭の空白を作らない、口を近づける、周りに負けない声で
  • 準2級プラス・2級は、前の文から情報をつなげる質問と、過去形で揃えるナレーションがポイント
  • 準2級プラスのスピーキングは2級と同じ形式。2級を目指す人の練習に向いている
  • 会場では全員が一斉に話し始める。録音に向かって話すこと自体に慣れておく

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よくある質問

英検S-CBTなど録音型のスピーキングで、「もう一度聞く」ボタンはどのように使えばよいですか?
練習の段階では、録音をやり直すボタンだと考えて使います。
オンライン英語塾クルードの練習では、1回目で流れや録音のタイミングを確かめ、「もう一度聞く」で質問を聞き直して、2回目のテイクで落ち着いて録音します。慣れたら1回で答える練習に移ります。本番での扱いは、受験する試験の公式案内に従ってください。
録音型のスピーキング試験の本番でも、「もう一度聞く」で録音をやり直してよいですか?
本番では、慌ててしまって空白だらけの回答になりそうなときの保険と考えます。
やり直せる回数は試験ごとに決まっていて、聞き直しを使うと採点に影響する場合があると案内されている試験もあります。受験する試験の公式案内と、画面に表示される注意書きを必ず確認してください。
録音型のスピーキング試験は、対面の面接と何が違いますか?
録音型は、質問の音声が終わった直後に録音が始まります。
対面の面接では、面接官の様子を見ながら答え始めることができます。録音型では、準備ができていないうちに慌てて、空白の多い回答をそのまま提出してしまうのが、オンライン英語塾クルードの録音型の練習で最も多く見られる失敗です。
英検S-CBTなど録音型のスピーキングで、録音するときに気をつけることは何ですか?
冒頭に空白を作らないこと、口をマイクに近づけること、周りに負けない声で話すことの3つです。
録音が始まったらすぐに話し始めます。質問文を繰り返して言うだけでも、考える時間が確保できます。採点の材料は録音された声だけなので、はっきり大きく吹き込みます。
英検準2級プラス・2級のスピーキングで、パッセージについての質問にはどのように答えますか?
答えになる文の中の by doing so や in this way が指す内容を、1つ前の文から引っ張ってきてつなげて答えます。
3級・準2級は本文の1か所を見つければ答えられる問題が中心ですが、準2級プラス・2級は、1文だけを読み上げても答えとして不十分になる構造です。
英検準2級プラス・2級の3コマイラストのナレーションは、何に気をつければよいですか?
ポイントは、過去形で時系列を揃えること、吹き出しのセリフをそのまま使うこと、登場人物が想像している場面をうまく説明することの3つです。
時系列を揃えるために、The next morning などの時間表現を必ず入れます。

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