英単語は手書きとタイピングのどちらで覚えるべき?記憶の定着と学習量の考え方

By 田中先生(クルード代表) 田中先生(クルード代表)
公開日: 2026年10月04日

英単語は手書きの方が記憶に残ると言われますが、タイピングには「覚える速さ」と「量」という大きな利点があります。多くの保護者様が気にされるこの疑問に、当塾がタイピングを軸に指導している理由と、英作文をキーボードで書くことをおすすめする理由をお答えします。

英単語を手書きで覚えるかタイピングで覚えるか|オンライン英語塾クルード講師ブログ

「英単語は手で書いて覚えた方がいいのではないか」とお考えの保護者様は多くいらっしゃいます。

手書きの方が記憶に残りやすいという研究がある

まず結論から言うと、手書きの方が記憶に残りやすいことを示す研究があります。保護者様のご認識には根拠があります。

成人が単語リストを書き取って、そのあとに思い出す実験(Mangenら、2015年)では、手書きの方がキーボードより約1割多く単語を思い出せたという結果が報告されています。当塾でも、手書きの効果そのものは否定していません。

それでもタイピングを軸にしている理由

一方で、キーボードには手書きにない2つの強みがあります。

  • 覚えるスピードが速い
  • 進められる量が多い

外国語の単語学習を手書きとキーボードで比べた日本の研究(Iharaら、2021年)でも、脳波の指標では手書きが優位だった一方で、学習後のテストの点数には差がなく、同じ時間の中で単語を書けた回数はキーボードの方が多かったと報告されています。

同じ60分で手書きより多くの単語に触れられるのであれば、1割程度の定着差はすぐに上回る、というのが当塾の考え方です。

実際、当塾でキーボードを使って英単語を覚えた生徒は、英検の語彙問題でも英作文でも十分に高いスコアを取っています。「タイピングで覚えたから点が伸びない」というケースは、これまでの指導の中で見られていません。

どちらも選べるようにしています

当塾のトレーニングは、手書きとキーボードのどちらにも対応しています。

  • 手書きで覚えたい場合は、タッチパネルのタブレットでなぞり書き
  • キーボードで覚えたい場合は、キーボードモードに切り替え

授業中に手書きとキーボードを切り替えると、単語の綴りをもう一度確認できるので、「覚えたぞ」と思ったタイミングでテストに入る、という使い方もできます。

英作文は3級からキーボードをおすすめしています

英検は3級から英作文が始まります。ここは手書きではなく、キーボードで書くことを強くおすすめしています。理由は時間です。

手書きの英作文で「ここに1単語足したい」と思うと、そこから後ろを全部書き直すことになります。60分の授業の中で、スピーキングもリスニングもリーディングもライティングも全部やりたいのに、英作文の書き直しだけで授業が終わってしまうのはもったいないと考えています。キーボードであれば、その場に単語を足すだけで済みます。

さらに、英検S-CBTのようにライティングをキーボードで解答できる受験方式も増えています。タイピングでの解答を選ぶ場合、キーボードで英単語を速く打てることは、そのまま試験で有利に働きます。同じS-CBTのスピーキングについては英検S-CBTの録音型スピーキング対策にまとめています。

ブラインドタッチは半年が目安

キーボードには「指を置く位置」に決まりがあります。人差し指の位置は F と J で、キーボードを見るとこの2つのキーだけに小さな出っ張りがあります。

「Rはどこかな」と指で探すのではなく、「Rは左の人差し指の上」と体に覚えさせる。これができると、画面だけを見てキーボードを見ずに打てるようになります。

目指すのは、指にアルファベットの位置を覚え込ませることです。話すとき、私たちは一つひとつの音の出し方を考えません。思いついた言葉が、そのまま口から出ます。タイピングも同じで、打ちたい文字を思い描いたら、指が勝手にそのキーを押している、という状態を目指します。

練習は、人差し指と中指で打てるキーから始めます。レベルが上がるごとに、使うアルファベットが1つずつ増えていきます。そのあと、2文字のローマ字入力、英検の単語、という順で進みます。

当塾のタイピングトレーニングは、ゆっくり確認するプラクティス、正確さを求めるアキュラシー、制限時間内に打つタイムアタックの3段階です。当塾の平均的な小学生の場合、目安としては半年ほどでブラインドタッチが身につきますが、正確に打てる生徒は3ヶ月くらいで手元を見なくなることもあります。

タイピングの速さが必要な試験が増えている

「ゆっくりでも正確に打てれば十分では」と思われるかもしれません。ただ、キーボードで打つ速さは、これからますます大事になります。

英検では、英作文を速く書ければ、その分の時間をリーディングに回せます。さらに、TOEFLやDuolingo English Testのように、速く打てないと、そもそも制限時間内に英作文を書ききれない試験が増えてきています。

速く打てるようになると、授業の中で英作文を書く時間も短くなり、同じ60分でより多くのことを勉強できます。

「思い出す」ことが定着をつくる

最後に、手書きかタイピングかよりも大事なことをひとつ。

当塾の単語チェックでは、意味が言えた単語は暗記カードから外し、忘れていた単語だけを練習に回します。答えを見た瞬間に「ああ、これだった」と思い出す刺激が、記憶の定着にはとてもよく効きます。

手で書くかキーで打つかは手段の違いです。「一度覚えたものを思い出す」回数をどれだけ確保できるかが、単語力の差になります。

まとめ

  • 手書きの方が記憶に残りやすいという研究はあるが、差は1割程度
  • タイピングは速さと量で、その差を上回れるというのが当塾の考え方
  • 英作文は3級からキーボードで。書き直しの時間を節約できる
  • ブラインドタッチはFとJの出っ張りから。半年が目安
  • 速く打てないと英作文を書ききれない試験が増えている
  • 一番大事なのは「思い出す」回数

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